寝るのが趣味ふとん屋の二代目のプログ |
敷きふとん
熱帯夜を少しでも快適に眠る工夫として、
日本ではイ草や麻といった清涼素材を応用してきました。
しかし今年の暑さは、世界的な異常気象の流れの中で、
今まで体験したことのない猛暑となっています。
敷き寝具というものは、天然素材の中綿であれば一年を通じて使うもの…
と私も考えていましたが、今年のような猛暑には夏専用の敷き寝具に変える
必要があるのかもしれません。
昨年の夏は、キャメルの敷きを使っても快眠できましたが、
今年の夏は暑く感じました。
そこで『わた』を使わない敷き寝具、保温力がゼロに近いものを
使ってみました。
その組み合わせとは、サニセーフ、エアーサイクロン、ウェーブマット
の三点の組み合わせです。
硬めのウェーブマットの上にエアーサイクロンを敷いて、
その上にサニセーフを重ねて寝ています。
この組み合わせだと『わた』はサニセーフの薄い中綿(脱脂綿)だけなので、
保温性は低いものとなります。
一月以上使用してみましたが、通常の敷きふとんで寝るよりは、
確実に快適といえます。
特に背中の嫌な蒸れ感が少ないので、
寝汗をかくことがほとんどありません。
私は寝る前に28℃くらいに部屋を冷やして、寝床に入るときはエアコンを
切って寝ています。暑さで目が覚めたことも何度かありましたが、
それは寝具の暑さではなく、室温の暑さで目が覚めたという感じです。
朝起きて寝具を片付ける時、昨年までは敷いていた床に湿気を感じる時が
ありましたが、今年は不思議と床が湿ることもありません。
エアーサイクロンとウェーブマットは一月以上干していませんが、
まったく問題なしです。
サニセーフを週に一度くらい水洗いするだけで、
エアーサイクロンとウェーブマットは日干し不要なので楽ですね。
私の場合、サニセーフとウェーブマットは冬でも使うので、涼しくなったら
夏用のエアーサイクロンを外して替わりに秋冬用のキャメルや羊毛を使います。
エアーサイクロンはメンテナンス不要で軽いですし、
収納しても薄いので場所をとりません。夏専用の敷き寝具として、一枚あると
快適なのでお勧めです。
「ジェルパッドの使い心地は?」という疑問を持つ方もいると思うので、
国民生活センターの資料をリンクとして貼っておきます。
http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20090709_1.pdf
敷きふとん
押入れの一番下にしまってあったエアーサイクロン
今年の夏は数年ぶりに使ってみました。
エアーサイクロンは蜂の巣のような構造で通気性に優れています。
熱帯夜の蒸し暑い寝床でも背中が蒸れにくいから涼しい…という夏向けの商品でしたが、
実際に使ってみると表面の波型の凸凹が気になって、感触が私にはダメでした。
凸凹の上にサニセーフをしいたら気にならないかも…と思いつき、今年はサニセーフと組み
合わせて使ってみました。重ねて使うと凸凹も気にならずいい感じです。
夜少し涼しいくらいの気温ですと、背中がスースーする感じなので、夏以外に使うのは無理
かもしれません。
昨夜の気温は25℃を越えたようで、ここ数日は蒸し暑い熱帯夜がつづくようです。
サニセーフは、脱脂綿とガーゼを使った吸湿に優れたパッドなので、通気性に優れたエアー
サイクロンとの組み合わせで、熱帯夜も背中が蒸れずに気持ちよく眠れるかな…
と期待しています。
量販店などでは、ジェルパッドを販売しているようですが、あれだけは怖くて販売できません。
表面が樹脂素材のジェルパッドは、通気性ゼロのビニールの上で寝てるようなものです。
汗はどこへ?と考えると怖くなります。
夏の睡眠は『冷やす』ことよりも、吸湿と通気をどう確保するか、だと思います。
サニセーフとエアーサイクロンの組み合わせで熱帯夜に使ってみた使用感、
また報告させていただきます。
気になること
『畳』と『骨』、この二つの漢字、似てると思いませんか?
画像は、さがみ野駅北口にある藤井工務店のショールーム内、
玄関から入ってすぐの一階和室です。
こちらのショールームには、畳の敷いてある和室は、この一部屋しかありません。
最近の新築住宅では、和室の需要は減っているそうです。
「バリアフリー」が求められることや、予算の面(和室のコストは高い)などから、
洋室(フローリング)の部屋が多くなる傾向のようです。
洋室の生活では一般には椅子やソファーに腰掛け、ベットに寝る、という生活になります。
和室では、座布団に座り、ふとんに寝るという生活になります。
洋室と和室の生活の違いは、足腰にかかる負担が違うともいえます。
床に座る、立ち上がる…ふとんを敷く、畳む…
和室での生活は、椅子やベッドの生活よりも足腰に負担がかかります。
カルシウムの摂取量が、欧米に比べ少ない日本人に、骨粗鬆症の発症が少ない。
これを『カルシウム・パラドックス』と呼ぶそうです。
原因は食生活の習慣もありますが、和式の生活で日本人の足腰が鍛えられた…という説もあります。
カルシウムの摂取量が少なく骨密度も低いけど、
普段の生活で、自然と筋肉が鍛えられていたのでしょう。
当店でも、『ベッド派』と『ふとん派』のお客様がいますが、
お年を召しても元気なのは、ふとん派のお客様のような気がします。
「毎日のふとんの上げ下ろしだけでも、立派な運動になります」とテレビ番組でお医者さんも言っていました。
和風建築の家と畳で生活して、綿のふとんで眠る…今では贅沢になってしまった
そんな当たり前の生活が日本人の骨を守ってきたのかもしれません。
『畳』と『骨』、字は違いますが、深い関係があるような気がします。
マニフェストが関心を集めるこの頃ですが、派手なばら撒きより
畳とふとんの普及を進めてくれたら…医療と介護の歳出削減に繋がるのでは?
などと都合のいいことを考えてしまいました。
こだわり
パッケージのままで購入することが多いふとんカバー。
色.デザイン.価格などで選ぶ方が多いと思いますが、普段気づかない細かい点をチェックしてみましょう。
今回は2種類のカバーを比較してみます。
左は無地のカバー(¥6,090)、右は人気のシビラのカバー(¥6,510)どちらも国産品です。
表面から見た周囲の縫い方を比較します。
無地カバーにはステッチの縫い目が確認できますが、シビラのカバーには見えません。
周囲の縫製部分を裏返してみました。
画像だとわかりにくいのですが、無地カバーは裏からミシンで周囲を縫製した後、表面からもステッチ縫製しています。
シビラのカバーは裏からのミシン縫製、一度のみです。
縫い目を比較しても、無地カラーは丈夫そうに見えますが、シビラの縫い目は粗く見えます。
使用するミシンが違うのか、縫い方が違うのか、どちらかだと思いますが、比較すると無地カラーの方が丁寧で丈夫な縫い方だといえます。
ファスナーの部分を比較してみました。
無地カラーは、かぶせの深い丁寧な縫い方です。引き手も2個付いているので便利だと思います。
(かぶせが深いと、ファスナーの開け閉めで生地を噛むことが少ない)
シビラのカバーは、かぶせの浅い縫い方なので、ファスナーと生地が噛んでしまい動かなくなる時があるので、ファスナーを開け閉めする時は注意が必要です。
引き手の素材は、無地カラーが樹脂製、シビラが鉄製でした。
四隅のヒモ(ホック)を比較してみます。
無地カラーはホック式で、羽毛ふとんの四隅の輪に通してパチンと留めるだけ。
羽毛ふとんのカバー取り外し時には便利な機能ですが、一部のメーカーのみしか採用していません。
ホックは樹脂製でテープ部分はナイロン製、洗濯にも丈夫な素材です。
シビラは平凡な綿テープです。
綿テープは洗濯するとクチャクチャになることと、端からほつれてくるので、品質的に良いとはいえません。
ナイロン製のテープなら洗濯にも強いので、綿テープよりもナイロン製のテープを採用して欲しいと思います。
テープの位置も、なるべく角に寄って取り付けて欲しいと思うのですが…
カバーの品質について、洗濯や普段の取り扱いで影響する部分を一部のみ紹介してみました。
生地も品質を考える上で大切な要素ですが、これは実物を触ったり何度も洗濯を繰り返してみてわかるものです。
今回比較した2点のカバーでも、無地カラーには『スーパーソフト』という加工が施されていますが、シビラはごく普通の綿ブロードを使用しています。
スーパーソフトは洗濯後のシワと縮みを抑える効果があるので、何度か洗濯すると二つのカバーの生地質の違いが出ると思われます。
同じ価格帯の商品でも、あるいは国産と中国製を比較しても、パッケージから見ただけではわからない細かい品質の違いがあります。
ふとんカバーは色やデザインで選ぶことが多いと思いますが、品質も確認して選ぶことも必要かと思います。
ファスナーや縫製.など、疑問に思う点は、店員さんに訊ねてください。
リサイクル
お客様の家に打ち直しのふとんを取りに行くと、こう言われることがあります。
「ふとん屋さんで一番質の良い木綿わたを入れてもらいました」
しかし、中綿を確認してみると、一番の質とはいえない木綿わたが多いのが事実です。
当店では、3種類の木綿わた(綿100%)を予算や用途によって選べます。
木綿わたは、1枚(300グラム)の価格で、(a)¥1,365 (b)¥1,050 (c)¥800 と三段階になります。
価格の違いは繊維の太さで、質の良い綿ほどコシが強く、しっかりした寝心地の敷きふとんを作ることができます。
標準サイズの敷きふとんの場合、わたを20枚使用するので、側生地と加工代を加算すると…
(a)¥34,965 (b)¥28,665 (c)¥23,665 という価格になります。
敷きふとんには繊維が短くて太いインド綿、掛けふとんには繊維が長くて細い米綿(アメリカ)を使用しますが、一口に木綿わたといっても、価格や質が色々あるということを知って頂きたいと思います。
A店で一番質の良い木綿わたでも、B店では三番目くらいの質だったりします。
店によっては価格の設定も色々あって、当店で¥800の綿が¥1,000で、しかも一番良い綿として販売している店もある…と製綿工場からの話でした。
質の良い木綿わたで敷きふとんを作ろうとするなら、店を選ぶ必要があるようです。
写真は1枚¥1,365の最高品質の木綿わたです。
先日、この綿の敷きふとんを打ち直して作り替えたのですが、なんと30年使い続けた敷きふとんでした。
打ち直しで新品みたいにふっくらと生まれ変わった30年目の敷きふとんに、お客様も「暖かくて、電気毛布がいらなくなりました」と喜んでいました。
次の打ち直しは30年以内にお願いしたいと思うのですが…
店長