第30話 神井戸

第30話 神井戸

第30話 神井戸(かめいど)


県立座間高校の前の崖(がけ)からわき出している泉です。生活のために絶対必要な水を作り出してくれるこの場所を、昔の人は神の井戸と考えて神井戸と呼ぶようになったのでしょう。「かみいど」とも呼ばれますがこれがなまって「かめいど」ともいいます。
水の底はきちんとした切り石が敷き詰められていて周囲もしっかりした石段で覆われています。こんなにきれいに整備されているわき水は市内ではここだけでしょう。


水のわき出している場所にはいつのころからか水神様の小さなほこらがまつられていて、ここが神聖な場であることを示しています。これはわき水に感謝する気持ちの表れであると同時に、ここで無謀な使い方をさせない意味があったでしょう。無謀って?たとえば一部の人が自分だけのものにしてしまうとか、ひどい使い方をして汚してしまうとか・・・神様がまつってあるところではそんなことは許されない!というのが古くからの考え方ですからね。


 今でもその水は地元の人々の生活の中でいろいろなことに使われています。
まずダイコンを洗っているのを見たことがあります。土を洗い流してもそれは汚いものではありません。夏の暑い日、スイカが浮かべてありました。冷たいわき水で冷やしたスイカって、冷蔵庫で冷やすより冷たくはないはずなのに、なぜかすごくおいしいんですよね。またある時は、今では珍しい木の桶(おけ)を洗っている人がいました。何の桶でしょう?見に行くたびに違ったものを洗っている風景が見られ、なかなか楽しいです。
昔は衣服などもここで洗ったとか。特に鈴鹿明神のお祭りでおみこしを担ぐ人が着る白い着物を洗う場所だったそうです。神社の神様の前で着るものですから、神聖な水で洗い清めたのですね。


 でも最近は本当に「いろいろなもの」を洗っています。ゴム長靴が水に沈めてあって汚れがふやけた頃ごしごし洗い出したり、平日のお昼頃や日曜日などは自動車を泉の横に止め、バケツで水を汲んでばしゃばしゃと車体を洗い出す人もたくさんいます・・・ありゃりゃ・・ここを大切に守ってきた人から見ればちょっと残念なことかもしれません。でも飲み水としては使われなくなっている今、自動車ぐらい洗ったっていいのかもしれません。まめこぞうは何とも複雑な心境です。
先日はフジテレビの「きょうのわんこ」で、犬が毎日この泉に入って遊ぶのを楽しみにしているという話が紹介されました。神の井戸に犬がジャバジャバ・・うーん、犬が好きな神様かもしれないしなぁ。人間の子どもがジャバジャバ入ったら?それはほほえましい光景でしょうか?やっぱり水を汚しちゃいけないと注意すべきでしょうか?うーん・・・

神井戸坂


神井戸の横からガケを登る小さな坂道で、台地の上に住む人々が水をくみ上げたり、田から稲を運び上げるのに利用したので「水くみ坂」「稲あげ坂」とも呼ばれていました。
今では座間高生の多くが通学につかう道になっています。つい数年前までは江戸時代と変わらない切石を並べた薄暗い感じの階段だったのですが、最近コンクリートのきれいなものに生まれ変わり、手すりもつきました。
この坂の上の細い道は古い鎌倉街道です。座間高生は登り切ってから左に折れて座間駅に向かいますが、その途中には昔ながらのお墓が・・・座間高生はここを「お墓道」と言うんだそうです。卒業してもきっとこの坂とお墓道のことを一生忘れないでしょうね。部活動で帰りが遅くなったときはけっこう怖がる人もいるとか・・・
出ないとは思いますが・・出たらまめこぞうに教えて下さい。すぐ会いに行きます。